ねないこだれだ（後編）

【前回までのあらすじ】
栄養失調ということが判明したけど後藤選手がかっこよかったのでまぁいいか！
そして純さんは超かわいい。


昨日の日記の続きです
京セラドームから移動してご飯食べようぜ！ということになったのですが、予約した店でとんでもないことがありまして…
今日はジンギスカンでも食べようとか皆言ってきたけど「ひつじたべられない」と私が嫌がったせいでイベリコ豚専門店に路線変更しました。道を盛大に間違えながらも無事到着。ご飯はちょうおいしかったです。
しかし日曜の夜だというのに客が全くいないのです
店の名誉のために言っておくと、店内は綺麗だしご飯は美味しいし接客はいいし、何も問題はありませんでした。ただ難点があるとしたらとても分かりにくい場所に建っていることくらいしか…

人がいないので気が大きくなった私たちは自然と今日の試合の話からダイヤトークに流れていました

もう記憶が飛んでしまったのでどういう流れでそうなったのか分からないけど、たぶん店員さんが金丸くんに激似だったのがよくありませんでした（言いがかり）いやいやもうダイヤから抜け出てきたのではないかというくらいのビジュアルで、店員さんが部屋を出るなり胸を抑えて「おい金丸くんだぜ金丸くん」とドキドキするくらいだったんです
そのうえ十三里さんが「クリス先輩が卒業したらどうしよう」とか未来の心配をしはじめたのがいけないのです。どういうわけだか別に一緒になったこともないくせに「クリス先輩と離れるのいやだ」とか「純さんと離れるのがいやだ」とか意味不明のことを口々に言い出し、そんなことを言っている最中に鍋の替え玉を持ってきた店員さん（以下金丸くん）が入ってきました。しかし脳内の嫁とのお別れでそれどころではなくなっていた私たちは金丸くんの存在を忘れつつ話をしていました。そして最終的に轍さんが「もう私片岡監督の側にいたいから、青道高校に入学するわ」と言い切ったところで金丸くんがこう言うのです


「もしかして、ダイヤのＡの話ッスよね？」









時　が　止　ま　り　ま　し　た





私と十三里さんは真向かいにいた蒼乃さんと轍さんいわく「目に見えて分かるほどに表情が固まっていた」らしく、しばらく金丸くんのほうを見れませんでした。轍さんが固まった時を動かすべく「そうなんです～野球すごい好きで今日も試合見に行ってて～」と応対してくれましたが、私と十三里さんは本気で脳が溶け出すくらいうろたえていました
しかもこの金丸くん、元球児らしくそのうえダイヤのＡが好きで愛読していらっしゃるそうなのです。なんじゃそれ！！！！！しかしそれどころではないのターン！金丸くんが部屋を出て行くなり私と十三里さんはみにくい言い争いをしました


どうしてこうなった！どうしてこうなった！

しかしちょっと冷静さを取り戻した私たちは「金丸くんのダイヤの推しメンが誰だか気になる」と言い出しました
まぁ気にしてただけなんですけどね※すくなくとも私は

食事を終えて伏目がちに会計をすませると、店の入り口まで金丸くんがお見送りしてくれました。
すると十三里さんが金丸くんにこう言うのです


「美味しかったです！また来ます」

「ところでお兄さんは青道で誰が好きですか」



バカじゃねーの！！？？






狂ったの！！？？



十三里さんと友達になって５年経つけど、こんな意味不明の行動に出たところを見るのは初めてでした
なんでメシ屋の店員にそんなこと聞いてんだよ！！バカなの！？たしかにあの空間は恥ずかしかったけどいくらなんでもヤケをおこしすぎです！そんな勇気はいらない！人生の転換期とか来るべき終末とかそういう時に取っておけよ！！！！


まさにやけくそです！

しかしこの金丸くんは非常にいい人でしたので
「あーそうですね…あっセカンドのお兄ちゃんが好きですね！」
と、とびっきりの美しい笑顔で返事してくれました。なんか好きな理由とか言ってくれていたような気がするけど動揺してもうなにもかも覚えていない　すいません

金丸くんは亮さん推し…
金丸くんは亮さん推し…
金丸くんは亮さん推し…

なんだろうこの二次元と三次元がマリアージュしたようなこの状態
難波駅の外壁を食べたい気持ちになりました。またこのお店行きたいけど行きづらいです。

とりあえず今日は十三里さんの行動力にびっクリスでした。しかも十三里さんに借りていた本を返したのですが、返した本の入っている袋の中に車のキーを一緒に入れていたらしく、私は地元駅について車のキーがないことに初めて気付きました。びっクリスでした。しかたないので駅まで母親にスペアキーを持ってきてもらいましたが母親も私のアホさにびっクリスしてました。


おわり